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女子高生の20%「なりたい職業=キャバクラ嬢」緊急報告「ジェネレーションZ」の発見

浴衣、よさこい、花火が好き。女子は「がさつ」で「気が強い」。

カルチャースタディーズ研究所主宰
三浦 展=文・撮影

text and photo by Atsushi Miura

 カルチャースタディーズ研究所は、広告代理店のスタンダード通信社からの依頼を受け、2007年時点の15歳から21歳を「ジェネレーションZ」(Z世代)と名付け、全国のその年齢の男女を対象とするアンケート調査を今年7、8月に行った。

 Z世代はネット世代だ。彼らは小学校時代から携帯電話を駆使し、場合によってはパソコンを使っている。よって本調査の第一の目的は、この世代の情報行動を探ることだった。しかし、その他様々な質問を設定したところ、情報行動だけでなく、価値観、生活行動の様々な点で驚くべき結果が次々と表れた。

 また、Z世代の先行世代は酒鬼薔薇聖斗(1983年生まれ)に象徴されるように、「キレる14歳」「キレる17歳」と呼ばれた世代である。Z世代もまた最近、親を殺害するなどの事件を相次いで起こしている。そういう意味でもこれまでの常識的な価値観では計りしれない存在であり、若者を継続的に研究してきた私としては(そもそも私の子どももほぼこの世代に属することもあって)非常に関心をひかれる世代である。

 調査はパソコンによるインターネット調査を一回、携帯電話のサイトを使った調査を3回実施した(以下「PC調査」「携帯一次調査」「携帯二次調査」「携帯三次調査」と略す)。

 PC調査と携帯調査を並行して行った理由は、Z世代の家庭でパソコンを保有している家庭は階層が比較的高めであるため、回答内容に偏りが出ると思われたからである。そこで携帯調査も行うことで階層的に上から下まで幅広いサンプルを集めることができたと考える。

 なお、携帯調査については男子の回答者が少ないので、男子を多角的に分析することはできないため、分析は女子が中心となり、男子は必要に応じて参照することにする。

(注:2007年時点の15〜21歳は、ほぼ85〜91年生まれに当たり、現在の高校生、大学生などである。「ジェネレーションZ」は「ジェネレーションX」「ジェネレーションY」に次ぐ世代を名付けるために三浦が考案した概念である。「ジェネレーションX」「ジェネレーションY」ともにアメリカのマーケティング概念が日本に輸入されたものだが、日本では一般的には「ジェネレーションX」は70年代前半、「ジェネレーションY」は70年代後半の世代を指し、団塊世代[狭義には47〜49年生まれ]の子どもを多く含む世代である。それに対して、「ジェネレーションZ」は「X」「Y」より10〜13歳程度若く、新人類世代[私の定義では60〜68年生まれ]の子どもがかなり含まれている)

Z世代の四つの特徴

 これらの調査の結果から見えてきたZ世代とはどういう世代か概観するとともに、彼らの性格を形成した社会的背景についても考えてみたい。

(1)女子の男子化

 まず、女子の性格が非常に男子化しているという特徴がある。

 たとえば自分を「がさつ」と思うのは、女子正社員で29%だが、男子正社員では8%しかない(ここでいう正社員は高校、専門学校、短大を卒業後正社員になった者である)。ほかにも「気が強い」「だらしない」「おおざっぱ」など多くの項目で、かつては男子的だと思われていた性格の傾向が女子のほうで強くなっている。

 このような特徴には明らかにジェンダーフリー的な価値観の浸透が影響しているといえる。85年以降に生まれたということは、男女雇用機会均等法の成立以降に生まれたともいえる。男女平等が当たり前なのである。

 しかしジェンダーフリー思想は、職業選択、昇進、昇給などにおいて男女が平等に扱われるべきだというだけでなく、男女の行動、振る舞い、仕草などにおいても「男らしさ」「女らしさ」を分けることを否定しがちであった。その結果として、男女の意識の逆転現象が起きたのであろう。

(2)非合理主義の台頭

 前世、死後の生まれ変わり、奇跡を信じるなど、非合理主義的傾向が強い。たとえば女子高校生の54%、男子高校生の50%が人間には前世があると信じており、また人間は死んでもまた別の生き物として生き返ると考える者も女子高校生で46%、男子高校生で47%いる(携帯二次調査)。最近、十代の少年少女が親を殺害する事件が相次いでいるが、殺しても生き返ると考えているのかもしれないと思いたくなる結果である。

 こうした非合理主義的傾向はどうして生まれたのか。

 Z世代は85年から九一年生まれだから、ほぼバブル経済期に当たる。つまりZ世代は、物心がついたころにはバブルは崩壊していた。とするとZ世代は、97年から03年あたり、小学生から中学生にかけて、親の会社が倒産した、親がリストラされたといったことを経験している者が少なくないはずだ。

 その意味でZ世代は、バブル期までの社会の中心にあった合理的で未来志向的な価値観が大きく揺らぎ、溶解した時期に育ったといえるだろう。そのことが彼らを、前世、奇跡などの非科学的なものを信じさせることにつながっているのではないか。テレビに江原啓之、細木数子、美輪明宏らの一種の運命論者が毎日のように登場する時代にZ世代は育ったのである。

(以下本文は、現在発売中の「プレジデント」2007年11月12日号[141ページ]をお読みください)


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